2012年11月10日

呉善花

「老婆は、小さな一輪の花に手を差しのべ(略)話をしているのである。まるで子どもに話しかけているようだったが、あたりには私以外に誰もいなかった。花は、気づかずにうっかり踏みつぶしてしまったとしても仕方のないような、およそ人目をひくことのない小さな存在だった。 韓国人ならば、墓の前で死者に語りかけることはあっても、まず花に話かけるようなことはしない。しかも、ごく日常的な場面で日常会話そのままに話かけるなど、私にとっては夢の中でしかあり得ないことだった。不思議に思って知り合いの日本人にこの話をしてみると、誰もが「そういう感じはよくわかる」というのである。(略)考えられることは、日本語を環境とする日本文化では、古い時代に自然を人(神)のように見なした意識のあり方が、習俗のレベルで延々と保存され続けたのではないか、ということである」

「経歴」

呉善花(1956年・韓国生まれ・評論家)

「参考書籍」

日本が嫌いな日本人へ・呉善花(著)





posted by 日本人 at 10:29| 自然・動物・虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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