2006年08月05日

シロニー

「日本の天皇は、九世紀に貴族の藤原氏が権力の座に上ってから千年以上、政治的にも軍事的にも直接権力を握ったことがなく、現実の支配者の好意に全面的に依存していた。しかし京都の天皇家は、権力もなければ財力に欠けることも多かったにもかかわらず、日本の政体を象徴的に支えるという、誰にも代わりのできない重要な役割を担い続けた」

「経歴」

ベン=アミー・シロニー(1937年・ポーランド)

「参考書籍」

ユダヤ人と日本人の不思議な関係・ベン=アミー・シロニー(著)

「関連書籍」
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2006年07月08日

シロニー

「一つの家系による支配が途切れることなく続くというのは、他の国々の歴史経験からはまったくかけ離れている。西洋でも東洋でも、王なり皇帝なりの王朝は一定期間が過ぎれば次々と替わっていくものだ。天皇家の永続性は、日本人の生活のなかに強い継続感と安定感を育ててきた。あるグループから次のグループへと政治権力が移ることはあっても、正統性の源泉はずっと天皇にあった。権力そのものは天皇以外の者-宮廷貴族や軍事支配者-が握っていたが、それが一人の手に集中することはほとんどなかった。それでは天皇の象徴的な権威を侵すことになるからだ。また逆に、分権化が行きすぎることもなかった。権力はさまざまな政府官僚や地方豪族の間で分散するのがふつうだったが、だからといって日本を分割していくつかの独立国家群にしてしまったのでは、やはり天皇の地位を侵すことになっただろう。このように天皇制は、一人の人間による独裁支配と全面的な政治分裂の両方から日本を救ったのである」

「経歴」

ベン=アミー・シロニー(1937年・ポーランド)

「参考書籍」

ユダヤ人と日本人の不思議な関係・ベン=アミー・シロニー(著)

「関連書籍」
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2006年04月28日

タウト

「天皇-将軍という日本の大きなアンティーゼはまた同時に神道-仏教の反立でもある。我々にとっては日本の複雑精緻を極めた、真に厳粛なる宗教的情感を理解することは、容易ではない。しかし、神道が独特な形で日本人とその国土と結び付けているという一事だけは頗ぶる明瞭のように思われる。神道の起源は二千五百年前の昔に遡り、神道自体がそのために日本と完全に癒合してしまっているので、そこに問題となるものは、仏教の場合とは反対に、本来日本的なものである。しかもそれは、神道における国民的なるものは既にむしろ地理的なるもの島国日本に独自なるものであるという意味においてである。

すなわち神道は日本人をその美しい国土と結び付けているばかりでなく、各個人を社会的意味におけるこの国土の一部分として互いに結合させているのである。天皇をそのご先祖達とする先祖崇拝は実にこのためなのである。その際、天皇はむしろ政治上の実権の掌握者ではない。将軍と並び立たれていた長い年月にわたって既に事実上は政治的主権者ではなかった。天皇はむしろ日本の国土の、またその国民の、国民精神の、風俗の、文化の結晶であらせられるのである。

天皇の御位置は何人によっても疑いを挿まれなかったので、特に天皇が天皇であられる御位置を綺羅びやかな表現で強調する必要はごうも存しなかったのである。天皇は文化の高い古の宮殿が如実に現している如く、究極の醇化、簡素、質朴を示す日本独自の文化を代表されておられるのである」


「経歴」

ブルーノ・タウト(1880年生まれ・ドイツ)

「参考書籍」

ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た・ブルーノ・タウト(著)

「関連書籍」

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タウト

「皇室と将軍家との意義を、それと平行的位置にある神道と仏教というものに関連せしめて、少なくとも普遍的に解釈するならば、這般の消息に近づくことが出来よう。まず日本では「皇帝」という表現は誤解を醸し易い。何故なら「皇帝」なる語はシーザーと同義であるからである。その後継者が彼の名を称号に用いたローマのシーザーは、「皇帝」なる語に適わしいナポレオンと同様に、日本の「みかど」または「天皇」とは全く性質を異にしているのである。シーザーとナポレオンは独裁者の簒奪者で、彼等は独裁的に政治的権力を掌握したのであって、この点ではむしろ日本の「将軍」に比すべきものである」

「経歴」

ブルーノ・タウト(1880年生まれ・ドイツ)

「参考書籍」

ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た・ブルーノ・タウト(著)

「関連書籍」

日本美の再発見・ブルーノ・タウト(著)

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2006年04月23日

ジェルマントマ

「今日の西洋人を見るに、どうでしょう。もって鑑とすべきものを見失い、舵取りのきかない状態になってしまっています。若者は、ドラッグに溺れ、あるいはセクトに入り浸っています。しかもそれは、閉ざされた社会の権威への反抗からではなく、その反対に、金だけが唯一の支配法則となった社会の、価値不在のためなのです。工業化、都市化、加えていまや根無し草と化した現代世界を前に、貴国においては、幾百千年をも閲した「譜系」なるものが現存しているということは、一つの非常に稀なる特権であると称して憚りありません。

アジアのどこを探しても、そのような国は皆無です。連綿として「天皇制」が存続し、戦後においてまでそれが維持されたことで、日本国民にあたえられた効力たるや、たとえ目に見えずとも、絶大なものがあったと考えざるをえません。天皇が万世一系の象徴であることは、世界が狭くなり、情報が瞬時に伝わり、互助互譲が経済活動の原理となった現代において、ますます必要不可欠と見られるに至りました。いや、もう一歩、さらに踏みこんで、むしろこう考えてしかるべきではないでしょうか。長期的な諸問題について、日本の真の国益が那辺にありやを知るうえに、天皇にその御意を表明する機会をお与えすることこそ、必要である、と」


「経歴」

オリヴィエ・ジェルマントマ(フランス国営文化放送プロデューサー、作家)

「参考書籍」

日本待望論―愛するゆえに憂えるフランス人からの手紙・オリヴィエ・ジェルマントマ(著)

「関連書籍」

日本短詩言霊論―ジェルマントマ「日本待望論」に答えながら・来空(著)
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