2006年07月08日

シロニー

「日本には厳しい道徳性を持った宗教はなかったし、トラウマとなるような迫害を受けた経験もなかった。にもかかわらず、社会調和という儒教的理想と自己犠牲という武士の理想によって、日本人は近代の理想主義的大義を受容した。屈辱から国を救うという理想が動機となって、十九世紀の日本人は自己本位の地域的、階級的な利害を捨て、共通の利益をとった。明治維新から十年で、長い封建時代を通して守られてきた地域自治権(藩制)も、代々認められてきた階級の区別も放棄され、二度と蘇ることはなかった。おそらく日本ほど速やかに、しかもほとんど流血なしに地域主義と階級特権を放棄した国は他にないだろう」

「経歴」

ベン=アミー・シロニー(1937年・ポーランド)

「参考書籍」

ユダヤ人と日本人の不思議な関係・ベン=アミー・シロニー(著)

「関連書籍」
posted by 日本人 at 03:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 明治維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月02日

タウト

「日本の歴史は近世史においてとりわけ特異である。1867年の明治維新は、天皇を政治的にも国家の至高に奉戴し、それまで独裁的権力者であった将軍の支配権を覆した革新であった。この革新の真因が、ヨーロッパの工業および戦術を摂取するために国を開放すること、これによって、ヨーロッパの技術的進歩に直面してヨーロッパ並びにアメリカの植民地獲得欲の好餌たらざるを期した点にあったことは、実に他に比類なき独特の性質を帯びている、それは、この国土の洗練せる文化と、島国には当然太古以来の帰一思想との真髄である天皇の御旗の下に、この事が起こったがゆえに特異なのである。この国が政治的独立を維持するためには、政治は、広義の政治的意味においてさえ視野が狭過ぎるので、国土を愛すればこそその国土を世界の一部と認めることが出来た尊皇派-それは単なる権力所有者にはとうてい不可能なことである-の広大なる視野に座を譲らねばならなかったのである。

そのため日本人は、ヨーロッパの技術の研究とその移植のために、謙譲、精励および形式上の繊細さという最善の伝統的特性を動員して、また生来の高い技術的天分に依って短時日の間に、一本立の発明家、研究家として全世界に比肩し得るに到ったのである。今日それと同じ謙譲や勤勉の美徳が他にぬきんでているのも、また今日大学、研究所等の近代的諸施設の大多数が模範的に活動しているのも、そして鉄道、汽船その他の交通機関の操作などの技術上の問題で、先進諸国に優越を示すものが多いのも、これまたやはり天皇精神の賜物である」


「経歴」

ブルーノ・タウト(1880年生まれ・ドイツ)

「参考書籍」

ニッポン―ヨーロッパ人の眼で見た・ブルーノ・タウト(著)

「関連書籍」

posted by 日本人 at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 明治維新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。